主婦+フリーランス引っきーが春眠から目が覚めて、のこのこ世に出てきたお話

働き始めてちょうど一年。

正確に言うと、外に出て働くようになってちょうど一年。

 

結婚と転居をきっかけに会社を退社して、もっぱらフリーランスとして制作物を納めてきた。

その間に二人の子持ちとなり、育児をしながらなんとか仕事を続けてはきた。

この間、様々なことが問題となった。

・作業時間の確保が想像以上に難しい。

・育児をアウトソーシング先がない。(海外転居)

・育児をアウトソーシングする資金がない。(自転車操業

・営業活動が困難。(昔のよしみでしか仕事がない)

・技術が遅れていく。(相当意識的な情報収集をしないとキープすらできない)

他に挙げればきりがないが、こういうことが自力でアレンジできない時点で、私はフリーランスが向いてないとはっきり理解することができた。

 

とはいえ、なんとか10年以上、細々とはいえ続けてきたのだ。

細々とはいえ、続けてきたことはそれなりに意味があった。

感覚的な表現になるが、やはり仕事というものは手が覚えているといった面があると思う。少しでも中断すると、やはり忘れるのだ。

どんなしょぼい仕事でも、なんとか続けてきたことによって、少なくとも今現在外に出て働く事の土台にはなっている。

これすら最初から構築しなくてはならないということは、相当ハードルが高いものとなるだろう。

 

下の子が幼稚園の年長になった春、そろそろ外で働きたいなと考えた。

子供の生活やイベントを最優先にしてきたことには、自信がある。

上の子は自分の活動に向けて、自分である程度動くことができるようになっているし、

下の子は学校に入ると学童クラブに入ることができる。

この学童に入るタイミングに向けて動くべきだと感じた。

だからといって、近所のパートを探すのか。なんか違うな。

上にいける可能性が全くない仕事を探すのだけはやめようと心に決めていた。

もう、学生アルバイト的なものでお茶お濁せる年齢ではない。

 

去年の夏、主婦のインターンのよう制度を紹介するウェブ記事を見つけた。

主婦インターンを雇う費用を国が負担し、インターン期間3ヶ月終了したら雇用契約をするというものだ。

週3日/1日4時間でもオッケーという条件に私は飛びついた。(アベノミクスばんざーい)

説明会の最後に個人面談があり、そこで私のこれまでやってきたこと、できることを話した。すると、仕事の内容として合いそうな会社をピックアップしてくれた。

そして早速面談まで取り付けてくれたのだ。

 

そのあとはスムーズだった。助成金インターンを雇って様子を見て、よければ雇う。

登録している企業は大抵中小企業だから、お互い入り口としては入りやすい。

 

紹介された会社は小規模な制作会社だった。

私にとってはぴったりな規模だ。

インターンが終了して、アルバイトになった。

同じように入った主婦は私を含めて5人。

 

一年が経った。時給も上がった。待遇も良くなった。

そして今、私は社員になろうとしている。

同時に入った主婦たちの中で社員になるのは私だけだ。

 

なんで私が社員になることになったかは、また別の機会に。

 

今、こうやって外に出て働くようになって思うことは、やはり人は人の中で生きて行くものなんだなということだ。

仕事の仲間がいて、お客さんがいて、毎日無理しなくても情報や技術がアップデートされて。

少なくとも自分にはこの方がよかったと思っている。

 

一方で、引きこもっていた時間もまた必要な時間だったと思っている。

子供を育てるのは本当に大変で、集中できる環境は必要だ。

小さい頃の育児をサボると、それは将来のリスクになる可能性が大きい、くらいに思っていた方がいいだろう。

 

これは業種によって全然条件が違うかもしれないけど、子育てか仕事かという選択を同じタイムライン上でしなくてはならないのは至難の技だ。でもタイムラインをずらすことで、両方を追うことはできる場合もある。

 

恐る恐る世に出てきた主婦+フリーランス引っきーも、一年経ってはっきり目が覚めてきた。

平地を歩くのも飽きたし、そろそろしっかり上に向かって登って行こうと思う。